いつか書こうと思っていたことを書きます。
前回のブログを書いていて思い出しました。
国語の話です。
そしてテストの話です。
国語のテストには基本的に二つの長文が出てきます。小説と評論文(説明文)です。
評論文はどこかの立派な人が書いたような、立派な感じの文章であることが多いです。
その内容はたとえば
産業の発達の裏側で、人間は廃水を海に垂れ流し、工場の煙は空気を汚し、花は枯れ、大地はひび割れ・・・・(以降、人類の環境破壊の歴史が紹介されておしまい)
ごめんなさいぼくが悪かったです、と言いたくなるようなものだったりします。
そしてこのような文章に対して
「次の文の中から本文の内容に合っているものを選びなさい」
という問題が出たりします。
選択肢はコチラ
1、産業の発達はとても良いことなので、環境破壊は仕方ない。
2、地球は人間だけのものではないので、環境の破壊はあってはならない。
3、私たちの子孫の未来のためには、産業の発達よりも環境の保護を優先させるべきだ。
4、産業の発達と引き換えに、人間は環境を破壊している。
一つずつ考えてみましょう
1に関してはさすがにね。馬鹿かキミはと。読めば分かるだろうと。逆、逆。
2はいいね。「地球は人間だけのものではない」なんてところが特に立派でいい。
3もまあまあいいね。なかなか見所あるよ。2ほどではないが立派です。
4は・・・え?何ですかこれ。そのまんまじゃないですか。ちゃんと読みました?
というわけで最高に立派な2を選びます。学校みたいな立派なところの、テストみたいな立派なものに出てくる、立派な方が書いた立派な文章ですから。
とか考えてるとハズレます。
この場合正解は4です。「そのまんま」を選ぶ問題なんです。
ほかにも「農家の数が減っている」という内容の文章の場合、正解は「農家の数が減っている」だし、「ゴリラは強い」という内容の文章の場合は「ゴリラは強い」が正解です。
本文に書かれていないことまで含んでいる選択肢は、全部ハズレです。
なんとなく「農業は国の根幹をなす大事な産業なのだから、決して衰退させてはならない」とか「力と力のぶつかり合いこそが躍動する生命の本質である」とかを選びたくなりますよね。気持ちは分かります。
でも気持ちは関係ないんです。
読んでてどう思ったかは全然関係ないんです。
立派なことを言っている文章に違いないと思い込んで、実際には書かれていないことまで勝手に補って、ありもしない「立派な結論」を読んだように錯覚してしまうのは、自分で自分を罠にかけているようなものです。
立派な選択肢にだまされるのは、もうやめましょう。