「あなたもしかして、有名な画家の・・・?」
「そうですよ、マダム」
「あら、お会いできてうれしい。あの、よかったら私に何か描いてもらえませんか?」
「もちろんですとも」
しばらくして描き終えた絵を手渡しながら、画家は女性にこう言いました。
「この小さな絵が100万ドルになります」
「え!たったの30秒で描いた絵じゃないですか」
驚く女性に、画家がさらに一言。
「この絵を30秒で描けるようになるのに、30年かかったんです」
ご存知の方も多いかもしれませんが、あの有名な画家パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・クリスピニアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソのエピソードです。いや、フルネーム長いわ。
いわゆるピカソのことです。
この話、本当のことなのかどうかイマイチわかりません。
ものによっては30年ではなく40年になっていたり、100万ドルじゃなくて1万ドルだったり5,000フランだったりします。都市伝説なのかもしれませんが、なんとなくいい話です。
成績が優秀な子のことを「頭がいいから自分とは違う」なんて決めつけている人がいます。自分には解けない問題を、何の努力もせずに簡単に正解しているように思えるのでしょうか。
でも「頭がいい」と思われてる人だって、ただただ簡単に正解しているわけではありません。簡単に正解できる能力を身につけるために、何年も努力してきたんです。ピカソと一緒です。
30年間努力すれば、誰でもピカソになれるというわけではありません。
でも、努力して勉強ができるようになることは、ピカソになることよりはずっと簡単なことです。
どんなことでも、まずは始めてみることだと思います。
スポーツなどの大会で優勝するためには、まずその大会に参加しなくてはいけません。
参加しなければ、勝つことはできません。それどころか、負ける資格すらありません。
それと同じように、まずは勉強に参加することが大事です。参加しなければいい結果は出せませんし、「できない」などと言う資格すらないと思います。
単に学校に通えばいいわけではありません。
授業中に適当にノートをとればOKでもありません。
自分の頭を使って、精一杯頑張らなくては意味がありません。
とても大変かもしれないけど、とても楽しいことでもあります。
やってみようかな、と思ったらすぐに始めましょう。
何から始めればいいかわからなければ、ぜひ相談してください。
いつの日か、「この問題を5秒で解けるようになるのに、5年かかったんです」なんて格好いいことを言ってみたいですよね。