塾をやっていてとてもうれしいことの一つに、生徒の弟や妹が入塾してくれるということがあります。
指導や成績にご満足いただけたうえに、信頼して大事なお子さんを預けていただけるというのは塾長冥利に尽きますし、卒業まで長くお付き合いいただけるのならなおさらです。
(この項では個人名には仮名を用います。)
A姉妹の姉のアイが入塾してきたのは2年生の1学期、中間テスト直後のことでした。
ストレートのロングヘアーにメガネがよく似合う、おしとやかな雰囲気の生徒というのが第一印象でした。第一印象というのは当てにならないものです。
そういえば、なぜか教室の裏口での初対面だったのが印象に残っています。
もともとの能力は悪くないものの力を出し切れていないようで、学年平均点が280点のところ本人の点数は250点、国語だけは平均点を超えていましたがほかはすべて平均点以下でした。
次のテストまでそれほど時間はありませんでしたが、英語も数学もしっかり進められたため、ほかの教科のワークなどに割く時間も取れ、期末テストに向けてある程度の見通しが立ったかな、という感じに。
結果は5教科の学年平均点が267点に下がった中で59点アップの309点、順位が一気に35も上がる大躍進でした。校内の偏差値で言えば47から54に上がったぐらいです。
殆どの教科で平均点を超え、社会と保健体育であと1点ずつ取っていれば全教科平均点超えでした。
直後の夏休みに、生徒の兄弟姉妹に対して宿題用に教室を開放したところ、妹のユウが参加してくれました。アイとは正反対の活発そうな印象です。夏休み後に入塾を決めてくれて、姉妹いっしょに通ってくれることに。
それぞれが浮き沈みを経験しつつ、しっかり頑張って結果を出してくれました。
アイは第2回北辰テストで志望校を安全圏に捕らえ、そのまま初志貫徹で進学していきました。入塾した時点では平均点以下だったことを思うと、かなり高いレベルの学校です。
ユウは、新型コロナの影響で北辰テストが自宅受験になるなどの困難の中、志望校合格まであと偏差値5、あと2…と少しずつ目標に近づき、ようやく会場での開催となった9月の北辰テストで志望校の推薦条件を一撃でクリア。2020年度の当教室合格第一号となりました。
この姉妹について書くにあたって、どうしても外せないことがあります。
定期テストなどで今一つ望んだ結果が出なかったとき、二人は一度も誰かのせいにするような言い方をしませんでした。
成績を上げたいときに限らず、自分を成長させようと望むのなら、自身の言動に責任を持つというのはとても大切なことです。
ほかにも、当教室に学年1人しかいない学校の生徒が孤立しないように気をつかってくれたり、それぞれの学年のムードメーカー的な役割を担ってくれました。
塾長に対しても優しくフレンドリーに接してくれ、あるとき塾長のことをとても褒めてくれたことがありました。何と言われたのかはここには書きませんが、今思い出しても自分に自信が持てるような、子どもたちのために頑張ろうと心に火がつくような一言です。
3年近くに渡って教室に笑顔を運んでくれた姉妹。二人の未来が明るく素晴らしいものになることを心から願っています。いつでも遊びにおいで。